直立二足歩行をするヒトは身体の中心が骨盤と下肢に支えられており、体幹と下肢の筋同士の関連が身体機能に重要な意味を持つ。本講義では、骨盤底筋と内閉鎖筋の関係および腹筋と股関節内転筋の関係を明らかにした解剖学研究を紹介する。

ハイドロリリースは水を組織に注入することで痛みや可動域制限、筋出力の低下が改善する注射である。私はFascial Manipulationレベル1・2を受講した上で、筋肉内の筋硬結を中心にハイドロリリースを多用している。本講演ではその治療例をもとに、おすすめの治療ポイントも紹介する。

メディセルの開発経緯や効果を論文を交えて解説する。当時どこにあるかわからない謎の場所「浅筋膜」に治療効果があるのでは？と魅力を感じ、皮膚や皮下組織を持ち上げる事で滑走性や血流が良くならないか？と、エステの器械を改良して始めた探究がいつのまにかいろんな人の手を伝い、一般人からスポーツ選手はたまた犬や馬まで使われるようになったいろんな可能性を持ったメディセルについて紹介する。

長年にわたり、筋膜は筋骨格系の痛みがどのように生じるかを説明する上で中心的なテーマとなってきたが、最近では、筋膜と内臓・臓器筋膜との連続性についても多くの研究がなされている。これらの繋がりは、多くの内部機能障害や関連痛を説明することができる。

since many years Fascia has become a central theme in the description of how muscle-skeletal pain could originate, but recently a lot of research has focused also in the continuity of the muscular Fascia with the internal/visceral Fasciae. These connections could explain a lot of internal dysfunctions and referred pains.

骨盤腔内の筋膜は、筋骨格系に大きく付着している。骨盤内には何層もの筋膜があります。帝王切開は非常に一般的で、北米では分娩の25％を占める。この手術は、骨盤筋膜の破壊を引き起こし、ひいては筋骨格系にさらなる問題を引き起こす可能性がある。骨盤腔内の筋膜の解剖学的構造を理解することは、手術後に痛みが生じる患者がいる理由を理解するのに役立つ

The Fascia in the pelvic cavity has significant attachment to the muscles skeletal system. There is many layers of Fascia within the pelvis. Caesarean sections are very common often 25% of deliveries in North America. This surgery can cause a disruption of the pelvic Fascia which in turn can lead to further problems in the muscle skeletal system l.Understanding the Fascia anatomy in the pelvis helps to see why some patients post surgery can develop pain.

疼痛強度が高い、慢性度が高いといったケースではその部位を動かす、および触れられるといったことに恐怖心を持つ場合が頻繁に見受けられる。疼痛部位を動かす前から予測的に痛いというケースに対し、直接的触ってFasciaの徒手療法を行う場合は注意が必要であると考えている。触れるだけでも逃避行動を示していた両肘痛のケースを例に、どのように脱感作をしながらFascia徒手療法交えて治療を進めていくか？それについての話題提供を行っていく。

70年以上前にFasciaに着目したDrアイダ・ロルフによって作られたロルフィングとはいったいどのようなものなのか？徒手アプローチがFasciaにどのような変化をもたらすのか研究を元に紹介します。

4名のプレゼンターが、筋膜介入の具体的なケーススタディを提示し、治療前後の変化を分析します。実際の症例を通じて、筋膜治療の効果とその臨床的意義について検討します。

運動療法が軸のトレーナーにとって手技に多くの時間は費やせませんが、手技によって運動療法の効果が大きく向上することも事実です。今回はトレーナーがどのようにFasciaに介入するかについてお話します。

筋膜リリースは、穏やかで優しい手技の特性上、小児から高齢者、アスリートまで広く用いることができる。今回は、筋膜リリースの理論や方法の概略を説明する。

筋膜リリースは非常に穏やかであり、子どもたちに苦しみ、不快感を与えることのない治療法である。脳性麻痺を中心とした中枢疾患への応用について、発達、筋の成長、痙縮の特徴等を交えて解説する。

「ファシア」や「筋膜」という言葉を耳にすると、ほぼ無条件に「リリース」「緩める」という合言葉が戻ってくるような気がしている。ただ、ファシアのネットワークは、単に緩めることのみを必要とするのではなく、ネットワーク全体の持つレジリエンスを高めること、つまりネットワークの伸長性、剛性、弾力性、回復力を向上させることは、障害予防にも、怪我からの回復にも、より健康的で活動的な日々の生活のためにも、そしてパフォーマンス向上のためにも重要な要素の一つである。 このセミナーでは、結合組織ネットワーク全体のレジリエンスを向上させるための、段階的なプロセスをステップ・バイ・ステップで紹介していく。